裏切りのターボ

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Judas Priest -Turbo(1986年)

 86年当時、初めて本作を聴いた時は正直ガッカリした。何せ「復讐の叫び」「背徳の掟」の次と来たら誰もがガチガチな鋼鉄製品(アルバム)を期待するに決まっている。狂喜したファンなんていないだろう。レザーで身を包んでいたコスチュームから一転、ロング丈の派手なコスチュームへの変化もショックだった。ジューダスは今後このようなモダンスタイルな方向へ進んでいくのかと思うと不安になった。

シンセサイズドギターを取り入れキャッチーで覚えやすいメロディ。この電子ギターとやらは、同年リリースのIron Maiden「Somewhere in Time」、Metal Church「The Dark」収録ラスト曲"Western Alliance"でも使われた。

邦題はそのまま「ターボ」だが、「メタルターボ」や「鋼鉄のターボ」、「裏切りのターボ」になっていたらそれだけで作品の質が落ちていただろうな。

伊藤政則は「プリーストらしさは全く失われていない」と発言し、「このオヤジ、明らかに苦し紛れな発言だな」と思っていたがそれは間違いではなかった。

チープなどくろ君が出てくる"Torbo Lover"や"Locked in"のPVがやたらとMTVでオンエアされたのを覚えている。極め付けは、Priest...Live!が出る前にFMで"Fuel For Life Tour"のサウンドボードソ-スがオンエアされて、それをエアチェックしたのだが、アルバムラストに収録の"Reckless"がライブでは更にカッコ良くなっていた事に驚き、好きなアルバムとなった。次作「RAM IT DOWN」よりも余裕でリピート数は多いな。


Judas Priest - Reckless - YouTube